大毛島の玉らっきょう

分類 ネギ科らっきょう属の多年草(Allium属)に分類される小粒らっきょう
産地 徳島県鳴門市大毛島を中心に、九州や中国地方の一部でも栽培
収穫時期 主に初夏(5月〜7月頃)
主な栄養価 カリウム、ビタミンC、食物繊維、カルシウム、亜鉛、銅

玉らっきょうは、丸みのある小粒な形とシャキッとした歯ごたえ、ほどよい辛味が特長のらっきょうです。漬物や薬味として、古くから食卓に親しまれてきました。なかでも、徳島県鳴門市・大毛島で育てられる玉らっきょうは繊細な食感と澄んだ味わいで古くから人気があります。

大毛島のらっきょう農家、西上さんは、海岸と道路を挟んだ場所に広がるらっきょう畑で、ご家族とともに昔ながらの方法で手作業による収穫を行っています。今回は大毛島でのらっきょうの収穫や加工の様子を取材させていただきました。

大毛島とらっきょうについて

写真左手が大毛島。島といっても陸続きで車でアクセス可能です。

大毛島(おおげじま)は徳島県鳴門市、うずしおを生む鳴門海峡を臨む美しい場所で、観光地としても人気ですが、ワカメとらっきょうの生産地のしても知られています。

「銀砂」が作るらっきょう畑

大毛島の畑の砂は海砂が使われています。うずしおを生む鳴門海峡の潮流は非常に早く、周辺の海砂もミネラルを豊富に含み水はけも良いため「銀砂(ぎんしゃ)」と呼ばれています。ミネラルを豊富に含銀砂は根張りを促し、繊細な食感と味わいを玉らっきょうに与えます。

らっきょうの収穫

西上さんのらっきょう畑は、大毛島の中でも道路を挟んで海に面した場所に位置します。潮風香る清々しい畑です。砂地畑の一面にらっきょうが植えられています。ちょうど収穫シーズンに取材さえていただくことができました。

機械を使って収穫を行う農家さんも多い中、西上さんはひとつひとつ手作業で収穫を行なっていきます。畑から出したらっきょうの根を鎌で切り落とし、規則正しくまとめたらっきょうを縄で縛って並べていきます。

美しく並べられた採れたての玉らっきょうたち。収穫シーズンであればこの段階で販売されることもあります。

下処理:葉と根をカット

収穫されたらっきょうは、西上さんの作業所に運ばれ、専用の包丁を使い葉と根を切り分けられ、実だけになります。たくさんのらっきょうをひとつひとつ手作業で手際良く切り分けていく様は職人そのものです。この段階でも出荷されることがありますが、保存期間が短いです。

洗浄と選別

洗浄と選別は機械と人の目によって行われます。収穫シーズンはたくさんのらっきょうを加工するためご夫婦で協力しながら各工程をローテーションしていきます。

1. 洗浄

皮を剥いて水に漬た玉らっきょうを、機械を使って洗浄していきます。くるくると回る洗浄機の中を通ったらっきょうたちは、再び水を貼った大きな水槽に入ります。

2. 機械での選別

水槽のらっきょうは網ですくわれ、選別機の中に入れられます。くるくると回る機械の中で大きさが基準に満たないものや品質が良くないものが振り分けられ、良質ならっきょうが次の工程に進みます。

手作業での選別

最後は人の目と手により、ひとつひとつ丁寧に仕分けされていきます。

選別された玉らっきょうは乾燥され、甘酢漬けにして出荷されます。西上さん家直伝の漬け方のレシピも、『半世紀作りつづけた「らっきょう漬け」 – 大毛島秘伝の味』からご覧いただけます。

玉らっきょう・お求め先

お求め先

徳島・鳴門市大毛島産の玉らっきょうとわかめを販売する事業所。詳しくは「WEBサイト」をご覧ください。