5月中旬、もつさんが引っ越した古民家には立派な梅畑がついていました。数珠なりに実った小梅は、大梅よりも早くに実る、梅干しに適した品種です。梅の木が大きくなっていたので、収穫と剪定を同時に行う様子を取材させて頂きました。取材の中のお話で、梅干しをつけた際にとれる「梅酢」が、色々な料理に使えて体に良いと教えてもらったので、分けてもらった小梅で梅干し作りに挑戦します。今回は収穫風景と梅干しを漬けるところまでをご紹介します。
受け継がれる梅畑
毎年、この時期になると、甘酸っぱい香りで辺り一面を覆う広大な梅畑は、前住民の方が住まれていた頃から大切に手入れされてきました。その梅畑を古民家と一緒に引き継いだもつさんは、梅畑を継続するために、近隣にお住まいのおばあさんから管理方法を教わり、手入れを始めました。高く伸びすぎた枝に実る小梅を収穫するのは難しいので、本当は秋口に行う必要のある選定作業と合わせての収穫作業でした。農協が引き取ってくれるのは熟す前の青い実のみですが、家で漬けるのは黄色く熟したものが良いと教えてくれました。取材中も甘い香りに癒されました。
材料・道具
所要時間1ヶ月(漬け期間含む)
材料
小梅 | 300g |
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塩 | 30g |
カビ除けの焼酎 | 1/2カップ程度 |
*1割だとカビが発生しやすいので焼酎で殺菌 |
道具
梅を漬けるかめ | |
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ザル | |
重し | |
ボウル |
作り方
1.梅の汚れを落とす
ボウルに水を張り付着した汚れやホコリを落とします。実に傷がついてしまうと腐りやすいので、優しく丁寧に洗い流します。何度か洗い流して綺麗になったら水気を切ります。
2.ヘタ部分を取り除く
爪楊枝を使いヘタを取り除きます。小梅は大梅に比べて小さいので、ヘタが取りにくいです。この作業が初めてだったので爪楊枝をたくさん折ってしまいました。小梅の場合は少し硬めの爪楊枝か竹串で作業することをお勧めします。綺麗にポロっと取れると気持ちが良いです。
3.水分を拭き取る
付着したゴミやヘタが取り除けたことを確認し、キッチンペーパーや布巾でひとつひとつ水分を拭き取ります。洗う時と同様、表皮を傷つけないように優しく丁寧に作業します。
4.消毒したかめに梅を入れる
カビ予防の為に、あらかじめ消毒しておいたかめを用意します。今回は容器が小さかったので、熱湯消毒にしました。熱湯消毒の注意点は、一気に熱いお湯を入れてしまうと、容器が割れる恐れがあるので、初めは水を入れ、その上から徐々に熱湯を注いでいきます。以前、この方法を知らずに大切な容器を割ってしまいました。アルコール消毒の場合は、アルコールを染み込ませた布巾やキッチンペーパーで全体を拭いていきます。直接スプレーで振りかけても良いです。
5.焼酎・塩を入れ混ぜる
抗菌・殺菌用の焼酎、塩を入れよく混ぜます。今回は量が少ないので、容器を振って混ぜましたが、容器が大きかったりたくさん漬ける場合は、梅と塩を交互に入れ層を作ると全体にまんべんなく漬けることができます。一番上側の梅はできるだけ平らになるように気をつけます。
6.重しを乗せて蓋をする
よく馴染ませた後、重しをします。重量は梅の重量の2倍ほどの重石を使います。
7.かめを縛りしっかりと封をする
麻紐でしっかり結び密封しました。かめの上からビニール袋を被せて涼しい所で約1ヶ月保管します。地のものメディアの事務所には、昔柑橘の保管に使われていた冷蔵庫があり、外が蒸し暑くてもひんやりとした冷暗所があります。そこに置いて寝かせることにしました。
1週間後、中の様子を確認
漬け始めてから1週間後、カビが出ていないか確認します。梅を浸す液体が、天然の調味料、梅酢です。梅酢はクエン酸などを豊富に含む、さまざまな使い道があります。梅酢の爽やかで甘い香りを楽しんでいると、こういった天然の食材の使い道を探求していくことも、地のものメディアの役割なのではと、いろいろと考えが巡ります。ともあれカビも出ていなかったので、もう一度密封し、ひと月じっくり寝かせます。この梅酢を活用した料理を作るのが楽しみです♪