2021.1.30 | 食べる

漁師の試み – 鮎の焼き干し Part.1

鮎(あゆ)は、独特の良い香りと、食べやすく美味しい身、そして中流での釣りの楽しさで、多くの愛好家がいる川魚です。水質の良い河川が流れる地域の漁業協同組合が毎年多くの鮎を放流します。新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年、川遊びイベントに使われる予定の鮎が余ってしまいました。せっかくなので冬の澄んだ空気の中で「鮎の焼き干し」を作り、ダシや骨酒にしてみては・・・と思ったのがこの試みのきっかけです。

動画

作り方

①鮎の下処理
内臓とエラを取り、きれいに洗う

まずは鮎の下処理から行います。肛門からお腹に包丁を入れ、冷水で洗いながら内臓を取り除きます。このとき、エラも取っておくようにします。血はダシの味を鈍らせます。エラには血液が多く含まれており、残しておくとダシの風味が損なわれやすくなります。

②焼く準備

鮎の下処理が終わったら、次は炭火であぶって水分をとばしていきます。なるべく焦がさないよう、鮎と火の距離を離して加熱できるようにします。

③時間をかけてゆっくりあぶる

準備ができたら網の上に鮎を並べてあぶっていきます。熱が適度に伝わっていることを確認し、定期的に裏返しながら、時間をかけて水分をとばします。

良い感じに焼けてきました。旬鮎はこのまま食べてしまいたいと思ってしまいます(笑)

④少し焦げ目をつけてみた

20~30分ほどあぶると、良い感じに水分がとんできました。とはいえ若干ダシに香ばしさが欲しいと思い、仕上げに網を火に近づけ、軽く焦げ目をつけてみました。

適度に焦げ目をつけ、火から下ろしました。落ち鮎はずいぶんダシっぽく仕上がっています。

⑤軒下で2週間ほど干す

あぶった鮎を、直に雨に打たれにくい軒下に垂らした干し網に並べて2週間ほど干します。

完成

2週間後に確認すると、良い感じに出来上がっていました。この焼き干しを使って骨酒やうどんなど、色々な料理を作ってみたいと思います。

鮎(あゆ)

鮎は、美しい見た目と、すいかのような香り、美味しい白身で「清流の女王」の名で親しまれる魚です。旬の時期に友釣りや漁が行われるのが、水質の良い河川の中流であることが多いので、川魚という認識が強いですが、産卵は下流で行い、卵からかえった稚魚は1年間海で過ごし、再び川に戻ってくる回遊魚です。鮎は縄張り意識が強く、縄張りに侵入してきた他の鮎に対して攻撃を仕掛けます。この習性を利用した友釣りはファンが多く、毎年シーズンには多くの釣り人が河川に腰まで浸かって釣りを楽しむ風景を目にします。…

ドフドフ原と漁師

「Cabanon ドフドフ原」と名付けられたこの山小屋は、使われなくなっていた古民家を、近隣の人々によって改修して作られました。山々と柑橘畑に囲まれたそこでは気の知れた漁師やその仲間、家族が、近くの野山や川で採れた野菜、魚、肉が持ち寄り、囲炉裏を囲んでにぎやかな夜を過ごしたり、昼間は、伸びすぎた近隣の木を伐って薪を作り、焚火をして魚や肉を焼いたり、景色を見て珈琲を飲んだりする自由で優しい時間が流れます。 地のものを楽しみ追求する場所 様々な地のものが持ち寄られるこの場所は、そ…

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