鮎(あゆ)

鮎は、美しい見た目と、すいかのような香り、美味しい白身で「清流の女王」の名で親しまれる魚です。旬の時期に友釣りや漁が行われるのが、水質の良い河川の中流であることが多いので、川魚という認識が強いですが、産卵は下流で行い、卵からかえった稚魚は1年間海で過ごし、再び川に戻ってくる回遊魚です。鮎は縄張り意識が強く、縄張りに侵入してきた他の鮎に対して攻撃を仕掛けます。この習性を利用した友釣りはファンが多く、毎年シーズンには多くの釣り人が河川に腰まで浸かって釣りを楽しむ風景を目にします。漁の場合は生息する地点に網を張ります。多くの鮎は養殖・放流されたもので、天然ものは珍しいのが現状です。

分類 キュウリウオ目
大きさ 10~30cm
産地 日本のほとんどの河川
7月
主な栄養価 ビタミンB12、ミネラル、

鮎の香りはスイカの香り

ほとんどの魚は、魚独特のにおいがありますが、鮎の場合は例外で、スイカやキュウリに似た、独特の香りがします。魚臭さに不快感を感じる人でも、鮎は例外ということもあるでしょう。この香りの正体、それは鮎が川底の藻を食べ、その中に含まれる不飽和脂肪酸という成分が鮎の消化器官の酵素によって分解される香りだそうです。鮎が分類されるキュウリウオ科とはこの香りが由来だそうで、他には北海道でとれるシシャモなどが挙げられるそうです。

雄と雌の見分け方

鮎の雄(オス)と雌(メス)は、尻ビレで見分けます。産卵の際、雌は尻ビレを使って川底に穴を掘り、そこに卵を産み付けるため、尻ビレがオスに比べて細長くなっています。一方雄は、雌が産卵した卵に精子を均等にかけるため、広く扇のような形のヒレになっています。

旬の鮎と落ち鮎の見分け方

鮎の旬は7月で、身に脂がのって最も美味しいです。9月の産卵期に入るにつれて、味も落ちていきます。秋になると産卵のために下流に下りはじめ、脂が落ちて痩せていますが、雄は白子、雌は卵をもっています。この産卵期の鮎は「落ち鮎」と呼ばれ、エラの隣にある黄色い「紋」が薄くなっているのが特徴で、この紋の濃さで旬のものかどうかを見分けます。

食べ方

鮎の魅力のひとつはその食べやすさでしょう。鮎は大きいものでも30cmほど。骨は軟らかく、取り外さなくてもそのまま食べられます。内臓も簡単に外せますが、藻が主食なので、お腹を押して糞を出してやるとそのまま食べることもでき、通な人は内臓ごと、頭まで丸々食べます。焼き方は塩焼きにすることが多いですが、みそ焼きにしても非常に美味しいです。横川吸虫という下痢の原因となる寄生虫がいることがあるので、しっかりと火を通して食べましょう。

保存方法

鮎は冷凍保存可能です。数日以内に消費できない場合は一尾一尾サランラップにくるみ、冷凍保存しておきましょう。解凍するときは自然解凍が理想です。

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