前回の動画「漬物名人に教わるたくあんづくり Part.1 – 宮商店 村の台所」で、収穫し干し終えた大根。あれから2週間、自然の澄んだ空気の下、乾燥しやすい冬の気候に助けられ、水分がよく飛び、しわしわに仕上がりました。この干し大根を使って、大根の下準備〜漬け終わりまでを漬物名人に教わります。漬物名人さかえさんの漬け方のコツや材料・道具もご紹介します。
所要時間 1時間
材料・道具(分)
材料
冬じまん(大根) | 約30本 |
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米ぬか | 二升 |
鷹の爪 | 大さじ6 |
塩 | 1kg(3.5カップ) |
道具
樽 | 1つ |
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ビニール袋 | 1つ |
紐 | 1つ |
包丁 | 1つ |
大根葉の処理
①大根葉を落とす
乾いた大根葉を落とします。包丁を使うと切り口から腐ってしまうので、直接手で落とします。大根を地面と水平になるように横に向け、片方の手で大根の白い部分を掴みます。もう片方の手で大根葉を持ち、互いに反対の方へ力を入れると、葉を簡単に落とせます 。
②よく干せた大根は「つの字」、又は「コの字」になる
水分が蒸発し、きれいに干し終えた大根は、両手で曲げ力を加えると「コの字」になります。この大根は短いので、「コの字」ですが、もっと大きな大根は、「つの字」まで曲がるそうです。水分が残ったものは中に芯が残ってしまい、写真のように曲がることはありません。
③しっぽを切る
漬ける際に不必要な大根の先端、根っこ部分を切り落とします。この時、横から出てきているひげのような根も一緒に処理します。根っこは樽に漬ける際に邪魔になる上、硬く口触りが悪いため味を落とす原因になります。包丁で削ぎ落とすように丁寧に切り落としましょう。
下準備
①鷹の爪を切る
鷹の爪を輪切りにします。市販の輪切り状にカットされているものでも問題ありませんが、これから鷹の爪を用意する場合は加工していない、丸ごと売りを買うのがおすすめです。あえて大きめに切り、辛味をダイレクトに入れていきます。ヘタの部分はカットし取り除きます。
②鷹の爪・塩を米ぬかに入れ混ぜる
米ぬかに塩・カットした鷹の爪を入れ、手で混ぜていきます。よく混ざっていないと、味に偏りができてしまいます。ざっくりで大丈夫ですが、大きく循環するように両手を使い混ぜてみましょう。新しい米ぬかは塊などがなく、さらさらしていますが、使い古した米ぬかを使用する場合は、固まっている場合があります。手でほぐして浸かりやすいように整えてください。
漬ける
①米ぬかを薄く入れる
ビニール袋を被せた樽を用意し先程の米ぬかを入れます。まずは底が見えなくなる程度に薄く回し入れていきます。できるだけ平らになるように調節しながら敷き詰めてください。
②干し大根を詰める
大根を太いものから順に一段ずつ詰めていきます。大きさを調整しながらできるだけ余白が無くなるように詰めてください。入れ終えたら、大根が見えなくなるまで米ぬかを上から追加します。また①の工程に戻り、樽が満タンになるまでこの工程を繰り返します。
④空気を抜き口を縛る
全ての大根を入れ終わったら、しっかりと空気を抜き密封します。空気に触れると味を落とす原因になるので、緩まないように注意して何十にも巻きつけた後、キツく結んでください。袋口を結び目の周りにぐるりと巻き付け、その後平らになるように手で押さえつけます。
⑤蓋の上に重しをのせる
中蓋を置き、その上に重しとなる石をのせます。大根の総重量の約半分くらいの重さがあると、全体的に重さが行き渡り大根がよく浸かります。この状態の樽はかなりの重さになっています。漬け込む際は保存場所への移動も考えた上で行うと後の作業がはかどります。
⑥袋を被せ、縛る
ビニール袋を被せ、紐又はゴムで縛ります。ここから3ヶ月はそのまま涼しく日陰になる場所で保管します。時々、中を確認し、水分が出ていたら取り除きます。その後減った分の米ぬかを新たに追加します。その時、味や匂いに違和感がないか確認してみましょう。漬け込み終わった様子を「漬物名人に教わるたくあんづくり Part.3 – 宮商店 村の台所(夏公開予定)」で紹介します。