イラム紅茶

インド、ネパール、中国南部、チベット、ブータンなどのヒマラヤ山系の土地で作られる紅茶は「ヒマラヤ紅茶」と呼ばれ、その豊かな香りと味で世界の紅茶ファンを惹きつけて止みません。ここでご紹介するイラム紅茶は、ヒマラヤ紅茶の中でもネパール、イラム地方の険しい山中にある茶園で、昔ながらの製法を用いて作られる紅茶です。日本への輸入も簡単ではなく、より美味しい紅茶を国内に届けたいと願う人の情熱と努力よって実現されています。その優しくしっかりとした香りと味わいはヒマラヤ紅茶のなかでも特に洗練され、何度でも飲みたくなります。

分類 ヒマラヤ紅茶
収穫期 4~11月
有用成分 タンニン、カフェイン、テアニン
イラム茶園の様子(株式会社TEAPARTY提供)

昔ながらの自然農法と輸入の努力

イラム地方が特別さは、その国の財政難で、農薬や化学肥料を買うための資金が無く、昔ながらの自然農法で紅茶をつくりつづけてきたという、複雑な状況によって作り出されているそうです。農薬や化学肥料に頼らない農法は、飲む側からすれば理想的ですが、作り手である現地の人々にとっては、大変な手間が要求されます。害虫から茶葉を守ったり、定期的な除草や選定、土づくりや肥料やり、年4回の収穫のすべてを人の手で行うのは想像を絶する労力です。さらに紅茶が出来るまでには、収穫だけではなく、茶葉と芽を乾燥(萎凋)させ、揉みこみ、そして発酵させ、再度乾燥させるという長くて大変な手順が必要になってきます。

このようにイラムの地理的、政治的な環境と、現地の作り手の大変な努力が重なってイラム紅茶が出来ています。もちろんイラムで作られるすべての紅茶が高品質というわけではなく、品質にはかなりのばらつきがあったり、まがい物も出回っているようです。そのため、作る側だけでなく、買う側も現地でしっかりと味や品質を確かめて買い付ける努力を要求されます。なんでも年間飛行機が平均3機墜落したり、兵隊さんに銃を突きつけられることも珍しくないそうです。詳しくは専門家の「買い付け日記」でご覧いただけます。

紅茶の収穫期と味の移り変わり

通常、紅茶の収穫時期は年に4回。紅茶選びの重要な要素となる味と香りは、収穫されるシーズンによって異なり、少し収穫時期と味の違いを知っていれば、紅茶を買う楽しみも増します。

4月 ファーストフラッシュ

シーズンの中で最も香りが濃いですが、味が淡泊になる傾向にあります。紅茶に香りを求める人はこのシーズンのものを選ぶと良いでしょう。

6月 セカンドラッシュ

香りと味のバランスが取れた茶葉が収穫されるシーズンです。評論家から最も良い評価を得られるのがこの頃収穫された茶葉。オータムナルと比較すると香りにに重きを置いた楽しみ方ができます。

7月~9月 モンスーンフラッシュ

味が濃い代わりに、香りが淡泊になるものが多く、海外に出荷されなくなります。ファーストフラッシュと対照的ですね。

10~11月 オータムナル

セカンドフラッシュと同じく香りと味のバランスが取れた茶葉が取りやすいシーズンです。セカンドフラッシュより、味が濃い傾向にあります。

12月中旬、収穫を終えると、翌年4月まで農閑期に入ります。香りが濃い→バランス→味が濃い→バランスと、まるで四季のように味と香りが交互に移ろうのが面白いですね。

紅茶の栄養や効果

コーヒーや日本茶と同じく嗜好品として楽しまれることの多い紅茶は、コーヒーよりも多くのカフェインを含みますが、吸収はコーヒーよりも穏やかで、最終的にはコーヒーの60%になると言われています。加えて渋み成分としてのポリフェノール、タンニンや、紅茶の旨味成分としてのテアニンが含まれます。試行品としてのリラックス効果の他に、血糖値のコントロール、脂質の吸収抑制、病気予防、アンチエイジングの効果があると言われています。

茶葉・お求め先

普通の茶葉

同じイラム紅茶でも、上で紹介したように収穫シーズンと栽培される農園によっても味は異なり、その時々で違った風味を楽しむことができます。

CTC

紅茶の製造工程のひとつ、「揉みこみ」代わりに、機械で細かく切り刻んで汁を多量に出して発酵させ、強い渋みを出したもの。「チャイ」などにおすすめ。CTCは、「Cut/Crush(切り裂く)」、「Tear(引き裂く)」、「Curl(丸める)」の頭文字。

お求め先

直接イラムに赴き、茶葉の選別、買い付け、日本への直接輸入を手掛ける株式会社TEAPARTY。詳細は「地の者記録」か、「WEBサイト」まで。

オンラインストア」でも絶賛販売中。

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